秋の外房でフカセ釣り!イワシの大群で予想外の展開に…
秋の足音が聞こえる夜、千葉県外房エリアの海へとフカセ釣りに挑戦した。狙うはイサキだが、待ち受けていたのは大量のイワシ。
思いもよらぬ展開に翻弄されながらも、なんとか少数のイサキを手中に収めることに成功。強風が吹きつける中、自然の荒々しさを感じつつ、海との真剣勝負が続いた。
予測不能な状況に身を置くことで、釣りの醍醐味がさらに際立つ。釣り人の心を掴んで離さないこの魅力、まさにリアルな釣りの本質だ。自然の変化を読み切る力、そして魚との駆け引きがたまらなく楽しく感じられる。
潮回りと天候
夕刻までは穏やかな波風が続いていたが、夜半過ぎから北風が強まる予報だ。
千葉県外房エリアでは、この北風が吹き始めると水温が安定するか、時には上昇することが多い。水温が上がることで魚の活性が一気に高まり、アングラーにとっては絶好のチャンス到来だ。
ターゲットはイサキ。勝負の時間帯は、夕まずめの18時頃から満潮を挟んだ22時までがピークだ。
それまでの時間は、海の状況をじっくりと観察しながらコッパメジナと遊ぶ、贅沢なひととき。波のリズムに身を委ねながら、次第に迫る本番に向けて心を整える。
コマセを投入するや否や、大きめのイワシの大群が一斉に襲いかかる。水面近くまで跳ね上がり、潮の流れと共にコマセに群がるその光景は圧巻だ。
その下には数匹のコッパメジナが見え隠れしている。このイワシの大群をどう避け、いかにしてコッパメジナを釣り上げるかが腕の見せ所だ。まるでゲームのようなこの瞬間が、釣りをさらに面白くさせる。
夕刻の涼しい風が心地よく、優雅な時間にさらなる至福をもたらす。自然と向き合いながら、最高のひとときを過ごすこの瞬間が、釣りに出かけたくなる理由だ。
フカセ釣りの釣果
・イサキ23~28㎝ 3匹 カイズ(黒鯛)2匹
フカセ釣りの解説
エサ取り・イワシの大群にどう対応するか
フカセ釣りにおいて、エサ取り対策は絶対に欠かせないものだ。エサ取りと本命魚に対するコマセの配分は、8:2くらいが理想だ。
今回の狙いは、港内にイワシの大群を引き寄せ、そこから下潮に流れていくコマセにイサキを食いつかせる作戦だ。これだけ大量のイワシが港内に集まっているなら、当然のように港外にもイワシは多く泳いでいるはず。
イワシを狙ってやってくる真鯛や黒鯛、ヒラメ、そしてスズキがいる可能性も十分にある。特に船道の沖合、20~30メートル先にその大型魚たちが潜んでいるかもしれない。
実釣で微調整するフカセ釣りの仕掛け
イサキのタナはおおよそ1~1.5ヒロ、対してイワシのタナは表層から50センチほどだ。仕掛けを投入した直後に、そのエリアにイワシがいると、すぐにエサを取られてしまう可能性が高い。
しかし、エサがイサキのタナまで届けば、イワシが喰いつく確率は大幅に減り、イサキを確実に狙うことができる。この微妙なタナの違いを活かせるかどうかが、釣果を左右する重要なポイントだ。
沖合に遠投して仕掛けに誘いをかけると、立て続けに3匹の食べごろサイズのイサキがヒットした。しかし、そこで状況が変わったのか、その後は全く反応がない。たまにイワシにエサを取られる時間が続く。
天候の変化~北風強風時の対応
夜になってもイワシの大群は居なくなるどころか、さらに増えているようだ。19時の満潮から下げ潮へと変わり、予報通り北風が強まり、釣り場の環境が一変する。
しばらくして、港の外側にエサ取りがいないエリアがあることに気づいた。この静けさから、大物か黒鯛が潜んでいる可能性が高いと推測し、タナを1.5ヒロから3ヒロに下げて狙いを定める。
下げ潮と強風が相まって、コマセが沖まで効いているのだろう。強風の影響で仕掛けが浮かないよう、3Bの高浮力ウキと重めのガン玉をセットし、潮の壁を利用してラインをピンと張っていると、微かなアタリがきた。根の際で黒鯛が喰いついたのだ。
銀ピカの美しい魚体、恐らく沖からやってきたのだろう。そして、イワシをしっかり食べて力を蓄えていたに違いない。
無理にその釣り場にこだわる必要はない
自分の中では、真鯛などの大型魚を狙っていたので、少し残念な気持ちもあるが、なんとか黒鯛を攻略できたことに一安心だ。
今回の釣行を振り返ると、この厳しい状況で無理に釣りを続ける必要はなかったかもしれないと反省点もある。ほかに選択肢もあったはずだが、それも次回の糧にすればいい。釣りは毎回が学びの場であり、次のチャレンジに繋がる。この経験を生かして、今度こそ大型魚を仕留めたいものだ。