千葉県外房でのフカセ釣り:3回のバラシ事例を徹底解析し、図解で紹介
釣りの世界には、予想外の挑戦が満載です。今回、目標のグレを何匹か手にすることはできましたが、3回のバラシという予期せぬ展開に直面し、自分自身に多くの質問を投げかけることになりました。当初の計画では、日没時のゴールデンタイムを最大限に活用しようと考えていました。しかし、自然の力は計算不可能で、波の激しさにより、初めの釣りスポットからの撤退を余儀なくされたのです。
しかし、疲れ知らずの情熱を胸に、深夜に再び海へと向かいました。この決断は、体力的には過酷を極めましたが、その分だけ得られるものも大きかったのです。この一連の挑戦から、釣りとはただの趣味を超えたものであること、そして常に新たな学びがあることを実感しました。
特に、魚が針にかかりにくい理由についての洞察は目からウロコでした。魚が警戒しているからではなく、仕掛けの微調整やラインの適切な張りが不足していたためだという事実は、今後の釣りに大きな影響を与えることでしょう。
これらの貴重な教訓をビジュアル豊かな図解でまとめ上げました。釣行の成功に向けてのヒントとして、ぜひこの情報をお役立てください。エキサイティングな釣り体験のため新たな知見とインスピレーションをお届けします。
釣行データ
日時 | 2024.2.17 23:00~2:00 |
場所 | 勝浦周辺の磯 |
潮回り 小潮 | |
天候 波/風 | 曇り&小雨 波0.4~1.0m 北東0.5m |
水温(前日差) | 16.5℃(±0℃) |
フカセタックル
ロッド | 16ベイシス 2-530 |
リール | 15BBXテクニウム C3000DXG |
ライン | ナイロン 3号 |
ハリス | ナイロン 2.5号~3.0号 |
針 | グレ軽量 4号 5号 グレ針 5号 6号 |
コマセ | オキアミ4kg×2ブロック V9-1袋 |
フカセ釣り釣果
グレ(メジナ):4尾 41㎝ /35㎝×2尾 / 30㎝
海の状況と予測
潮・風の推理と予測
予報によると、波風に大きな心配はなさそうですが、時折訪れる大波には注意が必要です。天候が突然悪化した場合は、直ちに撤退するべき。夜間は潮の干満差がほとんどなく、干潮と満潮の時間は以下の通りです。
- 干潮:16:00 / 水位39cm
- 満潮:23:36 / 水位94cm
安全対策
30分に一回は大きな波がくるので少しでも危険を感じたら撤退します。荷物は全てチャランボに引っかけておきます。
フカセ釣りの実釣解説
潮の流れ
釣り座から本流に向かって早い潮が流れており数十m先に潮の壁が出来ている。コマセがそこに溜まり魚も集まっているが時間の経過と共にポイントが遠のいているようだ。
フカセ釣りの仕掛け
魚をバラシた時の状況を解説
今回は計3回魚を掛けたが「バラシ」をしてしまった。順にバラシた時の状況を紐解いていく。
①針が折れる ②根に入られる ③尾長メジナにハリスを切られる
① 針が折れる
魚がいるポイントは約30m先。足元またはやや後方にコマセを撒くが潮流で遠くへ行ってしまうようだ。最初は10m先でもアタリがあったが徐々に遠のいていく様子。ポイントが遠いと仕掛けが緩む頻度が多くなり張っていない状態となる。仕掛けが合っていないと図にように「縦糸」となり釣れなくなる下記の弊害が起こる。
仕掛けが縦糸となった場合の弊害
- エサだけ取られる
- 魚の口に針が上手く入らない=上あごなど口の固い部分に針が掛かる
- 針がのまれる。尾長メジナだとハリスを切られる可能性が高くなる
仕掛けが縦になり、上顎や口の固い部位に針が掛かっていたと推測されます。使用していたのはグレ針軽量4号ですが、もしグレのかんぬき部分に針がしっかりと入っていたなら、針が折れる心配はありませんでした。しかし、重要な疑問は、なぜ最初から軽量のグレ針を選んだのかという点です。ここに根本的な誤りがあったと考えられます。アタリが複数あったということば「食い渋りが極端ではない」との判断に足る証拠です。
エサが単に取られる現象は、食い渋りよりも仕掛けの不適合が原因です。仕掛け(ガン玉)の重量が過剰、またはガン玉の位置が適切に調整されていないことが考えられます。食い渋りが顕著でなければ、標準的なグレ針6号の使用が推奨されます。
- エサだけ取られるのは、喰いが渋いのではなく仕掛けが合っていない
- 仕掛け(ガン玉)が重すぎる、またはガン玉の位置調整ができていない
- 極端に喰いが渋くない限り、通常のグレ針6号を使用する
仕掛けに角度をつけることの利点を、魚の口に入りやすさという観点から明らかにしましょう。仕掛けが斜めに配置されると、魚から見た際にハリス(釣り糸の一部)が目立ちにくくなります。これにより、魚の警戒心が和らぎ、結果的に釣果にも良い影響を与えることが期待できます。
「ハリスに角度をつける」ことは、フカセ釣りにおいて非常に重要な技術であると言えるでしょう。
②根に入られる
アタリに気づくのがかなり遅れた一因として、ラインを適切に張っていなかったことが挙げられます。特に、遠くのポイントで釣りをする際は、ウキだけではなくラインの感度にも注意を払い、アタリに気づく必要があります。
仕掛けを水中に投入し、何もせずに放置すると、魚がエサを咥えた際に生じるウキの上方への浮力抵抗や、魚の側面にラインが触れることによる違和感で、魚は根に向かって逃げます。その結果、ラインが根に絡まる可能性が高くなります。
どうすれば良いのか、その答えは「ラインを適度に張る」ことにあります。私は常にこれを心掛けていますが、この時だけは仕掛けを投げた後、他のことに気を取られてしまいました。
仕掛けを投入後、少しリールを巻いてラインを張り、潮の流れに対して軽く竿を引きながら、ラインや竿先の感度を利用してアタリを察知するのです。潮風の向きや強さによっては必ずしも上手くいくわけではありませんが、これらを体で覚えることが重要です。
アタリを感じたら、力任せに合わせるのではなく、「ラインをさらに少し張る」ことがポイントです。リールを少し巻いたり、竿を少し立てる(引く)程度の調整で十分です。仕掛けが適切な角度に設定されていれば、針は魚の口にしっかりと掛かります。違和感を感じた魚は、エサを咥えて反転し、引っ張られる方向とは逆に逃げようとします。通常、魚は根へと向かうため、そこから魚とのやり取りが始まります。
③尾長メジナにハリスを切られる
今回の釣行での最後はこのような浅場でした。夜になると浅場にエサを求めて魚が寄ってきます。水深は30㎝くらいでしょうか。仕掛けも短めに設定します。短めとはハリス10~20㎝程度です。
大型魚は生存戦略を習得しており、時には人間の想像を超える行動をとります。特に尾長メジナの場合、ハリスを切られる際には、針から4~5cmの位置でまるで鋭利な刃物で切られたかのような綺麗な断面が見られることがよくあります。
このような状況はほとんど抵抗なく発生します。これは、ラインの水中での抵抗が感度を鈍らせるためでしょう。今回ハリスが切られた原因として、ハリスが長すぎること、また仕掛けを投入後にラインを適切に張らなかったことが考えられます。
浅場で仕掛けを投入し、すぐにアタリがあった場合、尾長メジナは水面近くでエサを捕食しています。水深50cmの場所でハリスの長さが80cmもあると、アタリを感じる前に既にエサが食べられている状態です。アタリのタイミングで針が飲まれてしまっていると、ラインを張った瞬間に魚が違和感を覚え、鋭いエラでハリスを切りにかかります。
魚は釣り手よりも一枚上手です。では、どのようにして学習能力の高い大型尾長メジナを釣り上げることができるのか、その方法をまとめてみました。前提条件として仕掛けが水深、潮流に合っていることとします。
魚を掛けるまでのアプローチ
- 仕掛けが水面に到達する瞬間、ライン、ウキ、ヨリ戻し、ハリス、エサが直線を描くように配置されていることが理想です。
- 着水後は、ラインに軽い張りを加えることで、ハリスに適度な角度を設ける。
- アタリがあったら、リールを軽く巻くか、竿を軽く引き、アタリを訊いてみる。
- 魚の方から勝手に針掛りする。
- 竿の弾力を活かし竿を立てる。
魚を掛けてからのアクション
- 魚が大きいか小さいかの判断をするために竿の弾力を十分に活かす。小さければリールをグリグリ巻いて終わり。
- 竿の根本まで曲がるような大物であればレバーブレーキを迅速に開放しつつ、魚の進行方向に竿を傾けてる。
- 連続して同じ方向に強いテンションをかけるのは避け、竿の操作は細かく行なう。魚が根に潜る前にスピードが落ちるタイミングで、竿を返しながらリールを巻き、魚を根から少しでも引き離します。
- 魚が次の隠れ根を求めて動く習性を利用し、向かう方向に竿を傾けて対応します。レバーブレーキの使用を最小限に抑え、魚との間に適切な距離を保ちつつ、魚を疲労させることがキーとなります。
さまざまなテクニックを紹介しましたが、正直に言うと私自身もまだ全てをマスターしているわけではありません。これからも釣りを通じて、紹介した方法を実践し、さらに磨きをかけていきます。