【外房エリア】フカセ釣り脱初心者必見!実釣解説。
千葉県外房エリアがフカセアングラーたちにとっての楽園である理由は明白だ。浅瀬が連なり、満潮時には釣り人の夢がかなう場所となる。
会社の後輩がフカセ釣りに情熱を注いで早くも半年。はたして彼は磯釣りの厳しい世界への挑戦を始めるに足るか、それとも時はまだ早いのか?そんな疑念を胸に、彼に40cmを超えるメジナを釣らせる日を夢見ている。
その夢を実現させるために、安全かつ豊富な魚が期待できる場所を求め、まずは偵察に。水深は約1〜1.5mと、満潮時には理想的な深さになる。
しかし、潮が引けば、釣りを阻む岩が顔を出す。だが、16:00から20:30の間、釣りに最適な微風が吹き、波も穏やか。挑戦するには、まさに絶好のタイミングだった。
フカセ釣り釣果
コショウダイ55cm / メジナ40~33cm / イサキ38cm / カイズ30・35cm
フカセ釣りの解説
今回のフカセ釣りの解説
序盤はイワシと小さなメジナの乱舞
コマセを海に撒くことわずか5分、イワシの大群が舞台に駆けつける。その中には水面からを出る者も。この光景は先週の再演。これだけのベイトがいればスズキなど寄って来るだろう。ルアーを持ってくるべきだったと悔やまれる。
それでも、根が散在する浅瀬に仕掛けを投じる。上潮と下潮が交差するこの海域で、沖向きの潮を捉え、仕掛けを流すと、コッパ尾長が直ぐに針にかかる。しかし、真の目的である大型のメジナは、夜の帳が下りてからの訪れを待つ。
夜が訪れ静寂の中、何も釣れず、アタリも消える。外房では暗くなってから1時間ほど反応が全くないエリアが多い。夕まずめの活性が不思議に思える。下げ潮に入りアタリはあるものの、針に容易にはかからない。前方20mに広がる岩礁帯、左後ろに広がるワンドに分かれる。
日が沈むと魚たちの反応は突如として消える
目の前にコマセを撒くと、下潮に乗って沖へと運ばれる。波は手前を左後方へと導き、下潮は逆に右前へ。奥の流れも似た動きを見せるが、流速の違いが際立つ。この手前と奥の境には、潮流の壁が立ちはだかる。海は凪いでいるが、潮の躍動は止まらない。
仕掛けを2B+(浮力大)にし、ガン玉を加えて、ウキ下を長くする、軽量ハリに替えるなど試みた。だがうまくいかない。アタリはあるものの、エサが残ることも。ただエサをつついているだけなのか?仕掛けが合わないのか?時間はただ過ぎていく…そんなときは、あえて休憩をとる。
外房で夜釣りをしていると、流れ星をよく目にする。休憩中に2回も目撃した。流れ星はさまざまな方向に流れる。よく考えれば当たり前のことだが、なんともロマンチックである。
浮き下を1ヒロに設定し、潮の壁に完全に飲み込まれるような仕掛けに設定した。エサが自然に流れるように、ハリスのガン玉を上部に配置した。
浅瀬での仕掛けを合わせ込み、手にした40グレ
仕掛けが潮の流れに溶け込み、ウキが潮の壁を捉えて夜の海にケミホタルが静かに沈んでいく様子は幻想的だ。浮力は根掛りを避けるぎりぎりのレベルで調整されている。
しかし、なかなか魚の反応はない。そこで、誘いをゆっくりと加える。リールの操作は、半回転、1/4回転、一時停止、そしてリトリーブの繰り返し。やがてラインを伝わって軽いアタリがあり、ケミホタルが不規則に動き出した。
ラインに軽く力を入れると、ケミホタルが突然沖へと走り出す。ようやく魚が掛かった。やりとりを長引かせると他の魚を警戒させるため、迅速かつ確実に魚を手中に収める。40cmのメジナを手に入れた瞬間は、まさに感動の極みだ。
その後、しばらく魚の活動が鈍くなる。何も考えずに遠投をしてみる。ウキが潮の壁に入りゆっくりと沈んでいく。何もせずに待つ。するとすぐにアタリがあり、ラインをゆっくりと張ると、カイズ(クロダイ)がかかっていた。この魚がいるとメジナは隠れてしまう。カイズをもう一枚釣り上げた後、ようやくメジナを数匹追加することができた。
ハリスが抵抗もなく切られる謎の現象?
ハリスを3回も切られた。それは間違いなく尾長メジナの仕業だ。そのナイフの様に鋭いエラと素早い動きでラインを断ち切る尾長は、手元での感触を与えずに仕事を成し遂げる。摩訶不思議だ。今回、魚が一枚上手だった。
針上4~5㎝のハリスの切れ方などから可能性を思い描くと、黄色ラインで示された状況は鋭いエラで容易に断ち切られる。切られた瞬間を見ることはできないが、推測するに間違いない。さらに、今回は尾長メジナを一匹も手にすることができなかった。恐らく40cm超えクラスの尾長メジナだ。
ラインが初めて切られた後、ハリスを3号に変えてみたが、問題は竿の使い方にあった。水面に対して水平に竿を使うと切られやすいことが明らかになり、次への貴重な教訓となった。
大型魚が潜んでいた
バラシを経て方向を転じた際、何度かのアタリがあったことで、魚が集まっているエリアを大体に特定できた。メジナ35を一匹手にした後、何回かエサを取られたが、なかなか口を使わない。残りわずかなコマセを3点打ちし、そこが集結点となる数メートル先に仕掛けを落とす。仕掛けが馴染み、潮の流れに乗ると、ウキがゆっくり沈んでいった。違和感を感じたため、数秒待ちラインを張ると魚が掛かっていることを感じる。
動きはゆっくりだが重みがある。なかなか浮上してこない。クロダイだったら年無確定だ、と思いを馳せながら、ハリス1.75に変えていたため、慎重にやり取りを行い、浅瀬へと引きずり込んだ。
結果、釣れたのはクロダイではなくコショウダイだった。おそらく、他にもコショウダイはいたのだろう。エサは取られるものの、アタリがあってもエサの殻だけ残っているのはコショウダイの得意技だ。彼らがうろついている限り、メジナは食いつかないだろう。
コショウダイやコロダイは唇が非常に敏感で、違和感を感じたり、針が重たいとすぐにエサを放してしまう。このため、軽量の針に変更したことが功を奏したと感じるが、70オーバーの大物だったら、間違いなく針は折れていたろう。以前から何度もそのシナリオを経験しており、リスクは非常に高い。ハリス4号とグレ針6~7号を使い、確実に食いつかせる戦略が必要だ。
後輩にとって、この場所は磯デビューには厳しいかもしれない。だが、磯釣りの本当の厳しさを体験させるには最適だ。
次回は、ギガアジ狙いでまた挑戦しようと思う。
フカセ釣りの仕掛け
釣行データ
日時 | 2023.11.2 16:00~20:30 |
場所 | 勝浦周辺の磯 |
潮回り | |
天候 波/風 | 晴れ 波0.5 無風~西0.5以下 |
水温(前日差) | 23.5℃(+0.5℃) |
海の状況と予測 | 夜中まで変わらない予報 |
フカセタックル
ロッド | シマノ16BBXスペシャル MZⅡ1.5-500/550 |
リール | 15BBXテクニウム C3000DXG |
ライン | ナイロン 3号 |
ハリス | ナイロン 1.75号 |
針 | グレ軽量 6号 |
コマセ | オキアミ4kg×2ブロック V9-1袋 |